XTC「Easter Theatre」。

今年の五月に友人が事故で亡くなり、それから5ヶ月たってもう会えないことをやっと実感してきました。
どんな辛いことも人前では(愚痴を交えて)笑いに変えてみせる楽しい人だったので、あの世でも楽しくやっている事だろうと思います。

その友人も音楽が好きで、流行りものに囚われず面白いものを見つける嗅覚のある人でした。
他にも好きなバンドの話をしたり、楽器を弾いて演奏したりした友人はいたけど、彼は楽器を弾くことに興味は無かったようです。

最初は同じ部活の友人という間柄でしたが、音楽を聴くことが共通の趣味になり、何か発見があればテープに録音したりCDを貸し借りしてました。あとお互いお笑いも物凄く好きでしたがそれも書くと長くなるので。。

録画したフジロック99の映像を観ながら語り合ったことも思い出します。
彼はXTCのこの曲がWOWOWの天気予報のバックで流れていたのを聴いて気に入り、すぐに地元のCD&楽器&オーディオ&除雪機を扱っているお店にCDを注文したらしい。

フジロックもWOWOWで放送していたし、幅広いジャンルを取り扱っているCD屋がなくFMラジオが受信できない田舎で、自分たちはWOWOWとかでたまに放送されていたライブ映像や、洋楽を紹介する深夜放送を録画して自分好みな良いバンドを探していたのでした。

この曲はその当時リリースされたXTCの99年作「アップルヴィーナス」に収録された曲だったのですが、その頃の彼はネットでわざわざタイトルを調べたりしなさそうな人だったし、スマホも無い時代でしたから「えっくすてぃーしー、ってアーティストの一番新しいやつ」とでも言って注文したのだろうか。。そのくらいのいい加減さも持ち合わせてました。笑

この曲に「君の乳首の茶色がこぼれおちて」だかそんな歌詞が、和訳の一節にあって「外人の感性はわからねぇが面白い」なんて言いながら二人で聴き入ってましたね。

今思えば、英国の孤高なミュージシャンの決してコマーシャルではない新曲を、ネットや音楽雑誌で見つけたのでは無くたった2分の天気予報で見つけてしまうのだから恐れ入る(多少ひねくれたアンテナの持ち主であることは確かだけども)話です。

そんな友人とは2013年から会えてなかったけど、会っていない間はどんな音楽を聴いていたのだろうかと考えたりします。でも歳が30を超えてからは、流れてるだけの音楽に十代のころほど夢中になれないのが当たり前です。それほど大事な時期に面白い人間に会えて良かったなとしみじみ感じます。

他にも個人的な思い出が付きまとってしまって、楽しく聴けたり聴けなくなったりする曲はたくさんあるけど、この曲を聴くとその友人のことを思い出して笑えたり、感傷的になったりでやっかいな一曲として忘れることはないでしょう。(笑)思い出無しにしても、ストリングスが美しい良い曲ですよね。

まぁ音楽のことは一緒に遊んだ記憶のごくごくごく一部で、他の思い出も腐るほどあります。大半はここに書く気にならないほどしょうもないものです。なのでこの辺にしておきます。(笑)

また会う日まで。