Whiteman in the kotoni patos

SQUEEZEのグレン・ティルブリックを琴似パトスで観られるなんて夢にも思ってなかった。
このバンドはグレンと、クリス・ディフォードという二人の希有なソングライター/シンガーを有するグループで、初期はジュールズ・ホランドによるひねくれたシンセが飛び道具的な役割を担っていたエレポップだったけど、セカンドアルバムからはよりポップセンスに磨きをかけ、ニューウェーブのユニークさと、ガレージバンドのキレ、そして英国的なおいしいメロディを持ったバンドとして今でも愛されています。

今回来てくれたグレン・ティルブリックは初期ビートルズジョン・レノンを思わせる、少し青臭くてパワフルな歌声がとても魅力的な人で、デビューから33年たった今でもその声はほとんど衰えていませんでした。
ステージにはアコースティックギター、12弦ギターがそれぞれ1本ずつ、あとは小さなステージの左横にピアノがおかれてました。僕が座った席はそのピアノのすぐ目の前。

茶色いスーツを身にまとい、頭髪はすっかり白くなったグレンはビール片手にステージに現れると、ギター抱えて早速歌い始めた。
初めて聞く曲も多かったけど、コード進行もかっこいい、良い曲ばかりでした。そしてリードギターを担当してただけあって、間奏ではソロも弾きまくっていました。
ピアノではソウルフルなバラードを歌ってくれた。でもピアノの前に座ったのはその一曲だけだったので、もう少しやってくれても良かったのに!、と思いました。

選曲は初期のシングル曲からのも多くて「UP THE JUNCTION」「恋の傷跡」「BLACK COFFEE IN BED」「ANNIE GET YOUR GUN」「IS THAT LOVE」といった名曲たちを惜しみなく演ってくれました。他にもアルバムではシンセとリズムマシンによるサウンドだった「GOODBYE GIRL」を、会場練り歩きながらギターかき鳴らして歌い、「SLAP AND TICKLE」のめちゃめちゃかっこいい生ギターヴァージョンも披露。
SQUEEZE最大のヒット曲である「TEMPTED」もギターで歌ってくれました。この曲のリードヴォーカルはポール・キャラックなのでやらないかな、と思っていただけに、感激ものでした。


しかも僕の大好きなキンクスの「サニーアフターヌーン」とティラノザウルスレックスの「デボラ」のカバーまで歌ってくれるなんて、グレン、あんたって人は!。
終盤になって「リクエストはあるか?」と言ってくれて、すると会場のいたるところから曲名がコールされた。リクエストする人は長い間ファンだっただろうし、本当に泣いてしまうくらいこの日ののライブはうれしい事だったろうなーと思うと、自分もうれしくなります。
一曲歌って「もう一曲あるかい」と言ってくれたので、ぼくが蚊の鳴くような声でリクエストしたら「OK!」と僕のほうを指さしてやってくれた!。
それはぼくがスクイーズで一番好きなこの曲

若かりし頃のグレン。

いやもう最高で雄叫びあげてしまうほどでした(ごめんなさい)。この日のことは一生忘れたくない。