巨星

数年前、アメリカのニューオリンズの街を浸水状態にしてしまうなど、脅威を与えた竜巻「カトリーヌ」。被害に苦しむ人々を救うため、ボブディランの「嵐からの隠れ家」をテーマソングにして、U2エルヴィス・コステロアラン・トゥーサンフー・ファイターズといったミュージシャンがテレビを通じて募金を呼びかけていましたが、そんな浸水被害のさなかのニューオリンズで、一人の偉大なミュージシャンが行方不明になっていました。
その名はアレックス・チルトン

#1 Record / Radio City

#1 Record / Radio City

彼はカルトなスターであり、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドニール・ヤングを通過したような、独特なヨレた雰囲気と秀逸なメロディセンスを持ち合わせた希有なアーティストです。トム・ヴァーラインティーンエイジ・ファンクラブ、REM、ポウジーズ、エリオット・スミスといったオルタナティブで独特なポップ感覚を持つアーティストたちが、彼をリスペクトしています。
ソロ活動も長いけど、やはり最良の時期はBIG STARに在籍していた頃だと思います。
このCDはファーストとセカンドの2in1CD。3rd「sister lovers」はアレックスのソロのような作品で、それも良いのですが、やはり最初の二枚はBIG STARとしてのバンドの作品であり、特別なものがあります。
もう一人の優れたソングライター、クリス・ベルとの共作も多いファースト「♯1 RECORD」は、骨太なロック曲とアコースティックなナンバーのバランスのとれた作品。
セカンド「RADIO CITY」ではクリスが抜け、歯切れの良いギターサウンドとシンプルなビートによる曲がならぶ、ストレートな内容。どちらもアレックスによるヨレた歌声と美メロを存分に堪能できる秀作です。



2ndからの代表曲



09年のライブより、1stからの名曲。被災地で無事に発見され、こうして元気にステージに立ってます。